赤ちゃんとのふれあいが楽しくなる本を紹介

活動

はじめまして、こどもまな部・部長のガクです。

こどもの療育の専門家として、こどもとの楽しい日々を過ごすための情報発信をする“部活動”に取り組んでいます。

「赤ちゃんとのふれあいの時間に何をしてあげたらいいか?」と悩む親御さんは多いです。

療育の専門家としてお勧めしても、親御さんにしっかり伝わらず、継続していただけなかった経験があります。

それではと、資料を作ることにしましたが、資料を作るには時間を要するし、内容にしっかりと根拠を持ってお伝えしたいという、課題にぶつかりました。

そこで、お家で家族のどなたでも取り組むことができ、専門家が書かれた分かりやすい本がないかと探してみました。

そんな時に見つけた本が、今回ご紹介する「ダウン症児のための赤ちゃん体操 親子で楽しむふれあいケア」です。

タイトルに「ダウン症児」とありますが、ダウン症児だけでなく、すべての親子のふれあいのひとときの参考になる本だと思いますので、その理由も含めご紹介します。

下記にあてはまる方は、ぜひ最後までご覧下さい。

こんな方に読んで欲しい
  • 親御さんにふれあいの内容を伝えたい療育関係者
  • こどもさんに何かしてあげたいと考える親御さんやご家族
  • ダウン症を持つこどもさんを担当される療育関係者や育児中の親御さん

この本について

著者の紹介

著者は小児科医の藤田弘子(ふじたひろこ)先生です。

こどもの専門家である小児科医が書かれた本は、とても安心ができます。

「ダウン症児の赤ちゃん体操」を考案され、長年ダウン症児の療育に取り組まれてこられた先生です。

日本の小児科医が書かれていることが、この本を参考にした理由の一つ目です。

本の概要

2000年にメディカ出版から出版された本です。

本書の構成は以下のようになっています。

 Ⅰ ダウン症児のからだ

 Ⅱ ゆっくり運動発達ステップ評価法

 Ⅲ さぁ、体操を始めましょう!

 Ⅳ からだの発育

 Ⅴ 染色体異常の医学

 Ⅵ ダウン症児を家族に迎えて

対象は出生後から歩く頃までのこどもとされており、マッサージ、体操レッスン、感覚運動の3つから校正されています。

そして、体操内容をただ書いているだけではありません。

いまの発達の段階がわかり、その段階に適した体操を見つけることが出来る「運動発達ステップ評価法」も記載されています。

ダウン症を持つこどもさんを担当する療育関係者の方は、この内容を参考にされると、こどもさんの発達段階がより理解できると思います(一覧表つき)。

ですが、今回ご紹介したいのは「Ⅲ さぁ、体操を始めましょう!」の内容です。

この章を見る、紹介するだけでも十分に楽しいふれあいの時間を作ることができます

選んだ理由

日本の小児科医が書いている

先に書いたように、著者は、長年こどもの専門家を務められている小児科医です。

また海外の本の翻訳と異なり、日本人が自分の言葉で想いや意図を適切に表現されている点も、選んだ要因の一つです。

わかりやすい

この本を選んだ理由の二つ目は「わかりやすいから」です。

わかりやすいポイント
  • ステップ(発達の段階)ごとに体操レッスンが分けられている
  • 体操の内容がシンプルで取り組みやすいこと
  • 写真を見て真似するだけで取り組めること
  • 専門用語を用いて説明していないこと
  • 次に進むタイミングも書かれていること

わかりやすいことは、「始めやすさ」や「続けやすさ」に繋がります

親子の絆が深まる

「Ⅲ さぁ、体操を始めましょう!」の章のはじめには、赤ちゃん体操の目的が2つ書かれています。

  • 愛着を強める
  • 発達に見合った課題で学習能力を高める

そして、「愛着を強める」の項の本文では、

何よりも親子の愛着を強めることが大切であり、親子のふれあいを量的、質的に高める手段として、体操プログラムを位置づけている

「ダウン症児のための赤ちゃん体操」より

とあります。

この本を、ダウン症児だけでなく、すべての親子のふれあいのひとときの参考にしている最大の理由は、

この赤ちゃん体操が親子のコミュニケーション、親子の愛着が形つくられることを期待して作られているからです。

私がこの本を親御さんにご紹介する際に、体操のやり方を詳しく説明する・理解してもらうことも大切にしていますが、

それにも増して、この体操を通して親子が向き合うことが、親子の絆を深める時間となることを”理解してもらうこと”を大切にしています

そうすることで、継続性がより高まり、愛着の形成も進むという好循環を作り出せます。

本書にも“毎日実行することが原則“と書かれています。

本書の活用方法

継続が大切なのはわかったとしても、子育てや仕事をしながら毎日継続することは大変です。

私が導入する際に合わせて説明している内容を、参考にご紹介しておきます。

その場で一緒に行う

親子が揃っているのであれば、その場で2つだけでもしてみましょう。

教えてもらった後に自宅で始める確率はどちらが高いでしょう?

  1. 一度取り組んだことを、後で一人で取り組む
  2. 初めから一人で取り組む

もちろん前者(1)です。

親御さんに向けて、ポジティブなフィードバックがあると、なお良いでしょう。

こどもさんがぐずってできないタイミングであれば、赤ちゃん人形でお母さんだけでもシミュレーションすることもありました。

できる時間を一緒に見つける

数分だったとしても、新しいことを始め、継続することを難しく感じる方も多くおられます。

また、こどもさんの受け入れが出来ていな時(眠たいとき、おっぱいが欲しいときなど)にしてしまうのもよくありません。

そのために、オムツ交換後や哺乳後の気分がいいときがタイミングです。

その中でも、オムツ交換後が親子ともに一番よいタイミングだと感じています。

まずはそのタイミングから始めてみることを提案してみてください。

アクションを減らす

いざ取り組もうと、本を出し、ページをめくり、読んで、実行する・・・

実行までのアクションが多くなってしまうと、始めるために努力を要してしまいます。

オムツ交換と合わせるのであれば、

  • おしりふきケースに、項目だけを付箋で貼り付ける
  • オムツ用ゴミ箱に、項目だけを付箋で貼り付ける  など

思い出しやすくアクションが少ない方法を提案してみてください。

まとめ 赤ちゃん体操は親子の絆を深めてくれる

今回は親子のふれあいの時間の一案として「ダウン症児の赤ちゃん体操」の本をおすすめしました。

その理由として、

  • 日本の小児科医が書かれていること
  • 分かりやすくシンプルで真似しやすいこと
  • 体操を通して親子の絆が深まること

本書を参考にして、多くの親子が楽しい時間を共有できたらうれしいです。

以上、部長のガクでした。

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